今月の主題 アルコール障害
臓器障害の成り立ち—なぜ起こるのか
脳・神経障害(筋肉を含む)
駒ケ嶺 正純
1
1駒ケ嶺病院
pp.434-435
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220261
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脳・神経の領域では「アルコール性」という表現は,きわめて臨床的な意味で用いられてきており,注意が必要である.とくに,慢性のアルコール摂取が基礎にある場合には,その原因として,
①アルコールまたはその代謝物による直接の障害
②ビタミン類その他の栄養素の欠乏
③重症アルコール性肝障害の影響
を考慮しなければならない.「アルコール性」という言葉が,「原因は明らかでないが,アルコール依存症の患者に頻度が多く,他ではあまり見られない特殊な病態を有する」という意味で使用されることも多い.
また,一般にアルコール依存症の患者は,総摂取カロリーは保たれているが,食事が偏ることにより,症状はなくとも,同時に何種類かのビタミン類の低下状態にあることが多い1).
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