臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅲ トピックス
83.超音波照射—主に心機能に及ぼす効果について
新井 達太
1
,
水野 朝敏
1
,
佐々木 達海
1
,
高安 英樹
1
,
望月 𠮷彦
1
,
鈴木 茂
1
1東京慈恵会医科大学・心臓外科
pp.2534-2537
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220119
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超音波の臨床医学への応用には一般的に"診断"と"治療"の2つの面がある.しかし循環器領域においては従来,専ら"診断"に限られていた感があり,特に超音波照射が心機能に及ぼす影響は全く未知の領域であった.しかし,1980年,カナダのForester,Mortimerらは摘出したラットの乳頭筋を用いた実験で,超音波照射が乳頭筋の収縮に好影響を与える可能性を初めて示唆した1).
筆者らは早くからこの論文に注目し,「超音波を心臓に照射して心機能を高めよう」というこの方法を超音波心筋刺激法(Ultrasonic myocardial stimulationmethod;UMS(ウムス))と命名して,より一層臨床応用に近い課題として研究を進めている.そしてラット剔出心を用いたWorking heart法(Neely model)による実験を行いUMSが"心筋障害を有するwhole heart"の心機能の回復をも著しく助けることをはじめて明らかにした2〜4).
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