感染症メモ
非A非B肝炎のFollow up
袴田 啓子
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1700
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219943
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非A非B肝炎が現在輸血後肝炎のほとんどを占めることは周知の事実である.輸血症例の0.5〜1%に発症(米国)し,潜伏期は2〜12週位(平均8週)である.1970年代半ばより,輸血後肝炎のほとんどの症例がおそらくウイルスと考えられる1つあるいはそれ以上の非A非B因子に起因していることが明らかとなっている.慢性化は高頻度(米では少なくとも25%以上,日本では16%)にあるといわれているが,その経過については指標とする抗原,抗体の力価の推移もわからないため判断は難しく,長期予後については未だ不明である.
最近UCLAから69人の非A非B輸血後肝炎患者(以下NANBPTH:non A non B post transfusion hepatitis)の5〜11年間にわたるfollow up dataが提示されたので,それを紹介して予後についての検討を行ってみたい.
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