今月の主題 高血圧症—今日の治療
特殊な高血圧症の治療
高齢者高血圧症の治療
額田 忠篤
1
1国立大阪南病院
pp.1384-1385
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219872
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高齢者高血圧の特徴
高齢者高血圧には次のような型が多い.
(1)末梢血管抵抗増加型 本態性高血圧は,循環血液量増加型,心拍出量増加型,末梢血管抵抗増加型に分類できるかもしれないが,高齢者の高血圧には前二者は少なく,後者に属す型が多い.すなわち,本態性高血圧の進展に伴っての小動脈硬化を有している型が多い.
(2)収縮期性高血圧,動揺性高血圧 60歳を過ぎると,一般にその高血圧の血圧は動揺性となる.動揺するのは一般に収縮期圧であるが,高齢になるほど拡張期血圧も動揺性になることが多くなる.それは比較的大きな動脈の硬化性変化による弾力性の低下,腎細動脈硬化に伴う腎性因子の関与,生体内昇圧物質の代謝性調節障害などが関与するからであろう.
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