今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望
治療—その効果と限界
B型慢性肝炎—Ara-A,Ara-AMP療法
斎藤 純夫
1
,
市田 文弘
1
1新潟大学医学部・第3内科
pp.1042-1043
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219798
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B型肝炎ウイルス(HBV)の本態の解明に伴い,B型慢性肝炎の病態もその全容がほぼ明らかになり,その治療方針も変わりつつある.すなわち,従来からの肝庇護,自他覚症状の改善を指標とした薬物療法と異なり,この疾患の直接原因であるHBVの減少,排除を目的としたAdenine arabinoside(Ara-A),インターフェロンなどの抗ウイルス療法の試みである.
それらのうちAra-A療法が試みられてから1)すでに10数年を経過し,いくつかの報告2〜4)がなされ,その評価とともに限界に対しても一定の見解が示されつつある.ここでは,本邦におけるAra-A研究会での第2相試験の臨床成績を引用しつつ,B型慢性肝炎に対するAra-A療法の概要について述べる.
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