臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅲ.髄液検査
25.髄液糖
角田 孝穂
1
Yoshiho Tsunoda
1
1新松戸中央病院
pp.2140-2141
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219346
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異常値を示す疾患
髄液の糖はほとんどがブドウ糖で,ほかに微量の多糖類,果糖,リボースなどを含む.中枢神経系が正常のときは,髄液糖は血糖値と平行しており,血糖の1/2〜2/3の値を示す.髄液糖の正常値は成人で50〜75mg/dl,乳幼児や新生児ではやや低く,採取部位によっても異なる.髄液糖の減少は診断上重要なことであり,ここでは40mg/dl以下を髄液糖減少とする.
中枢神経系が病的状態になると,血液,髄液間の関門透過性が高まり,髄液糖は上昇する.また髄液中の細菌や細胞の解糖作用によって,髄液糖は減少する.この場合,解糖の主役は細菌で,白血球は補助的役割をする.
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