今月の主題 下痢と腸疾患
下痢患者をみたらどうするか
老人
渡辺 晃
1
Hikaru Watanabe
1
1国立仙台病院・消化器科
pp.1410-1412
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219175
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下痢は症状の一つであるから,その治療にあたっては病因を解明し,それに応じて治療方針をたてなければならない.それには,下痢の持続期間,排便回数と排便時間,便の量・硬さ・組成,腸管以外の疾患の有無などについて検討することが必要である.年齢もその一つであり,潰瘍性大腸炎,Crohn病,スプルー,過敏(大)腸症(候群),乳糖不耐症などは若年,30歳以下の成人に多いのに対し,大腸癌,大腸憩室炎,膵癌,腸の血管性病変や,下剤の乱用による下痢は老人に多い.ここでは,別項で述べられる分類や検査については省略し,下痢患者の病歴や症状に重点をおいて考察する.上記のように,とくに老人に好発する疾患をゴシックで示す.
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