今月の主題 下痢と腸疾患
下痢患者をみたらどうするか
小児—小児の特徴を示す4症例を中心に
香坂 隆夫
1
Takao Kohsaka
1
1国立小児病院・腎消化器科
pp.1406-1409
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219174
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小児の下痢症の特徴
小児の下痢症は,その病変部位が消化管に限局していたとしても,全身性の代謝性変化としてとらえる必要がある.それは体液量が大人の60%に比し小児は80〜90%と多く,かつ,小児は飢餓により容易にケトーシスに陥りやすく,容易に脱水症に移行するという特徴を有するからである.診断に際しては基本的な事項である,経過が急性か慢性か,全身の栄養状態,脱水の有無,便の性状(水様性,血便,脂肪便,悪臭,酸臭),1日の便の量などに注意すれば,正確な診断は別としても,治療の大筋の計画は可能である.しかも,種々の治療に対していかに反応するかによって,正確な診断に近づくことができる.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.