今月の主題 糖尿病診療の実際
境界領域
糖尿病患者の手術
濱名 元一
1
Genichi Hamana
1
1東京都済生会中央病院・外科
pp.1034-1035
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219080
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国の糖尿病患者は,近年食生活の欧米化,老人人口の増加,糖尿病患者の管理向上により,増加の傾向にある.このことは,外科疾患により手術をうける患者が増加していることを示している.坂本らの糖尿病患者の死亡原因の集計(1971〜1980年)では,血管障害41.5%に次いで悪性腫瘍が25.3%と,平田らの1970年の集計よりはるかに増加している.これらの大部分は外科的手術適応であることが考えられ,開胸,開腹の大手術の症例が増加していることを示している.したがって,現代の外科医にとって,糖尿病患者の手術の術前,術中,術後管理の知識は欠くことのできないものとなっている.糖尿病の病態生理の理解と,慎重な対策が求められる.また糖尿病患者は合併症も多く,専門医と密接な協力のもとに管理する必要がある.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.