今月の主題 糖尿病診療の実際
治療
糖尿病治療の基本設計
松岡 健平
1
Kempei Matsuoka
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.994-995
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219061
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糖尿病の症状はその経過中の病態より見て,高血糖により直接もたらされる多尿,多飲,多食,倦怠感など,いわゆる急性症状と,長期罹病後に起こる合併症による症状とに分けることができる.前者は時としてケトアシドーシス,昏睡につながるものであり,後者は高血糖に表現される代謝異常の持続の結果もたらされるものである.したがって,糖尿病治療の目標には代謝異常の是正と合併症手術の二つの柱がある.ところが,糖尿病は病型,病期,年齢,等により病態が異なる.いったん糖尿病の診断がついたら,個々の症例の評価を医学的のみならず,社会的背景をも含めて正しく行うことが適切な治療設計を立てる意味で非常に重要なことである.
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