臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
XII.癌
癌化学療法・放射線療法の副作用の予防と治療
236.食欲不振,下痢,便秘
金子 栄蔵
1
Eizo Kaneko
1
1浜松医科大学・第1内科
pp.2628-2629
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218777
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症例
56歳,男性.転移性肝癌(原発胆のう癌).
現病歴:2カ月前に右上腹部鈍痛,食欲不振あって来院した.理学的に右上腹部に鉄拳大の固い腫瘍を触知,精査の結果胆のう癌を原発とする広範囲な肝転移と判明した.手術不能と判断されたが,全身状態比較的良効なためMMC 10mg腹腔動脈注を行い,以後外来にてFT-207(Futraful®)800mgの経口投与を行った.FT-207投与1カ月頃より食欲不振が増強してきた.Domperidone(Nauzelin®)30mg/日を分3投与したところ食欲不振の改善がありFTの服薬が可能となった.
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