今月の主題 自律神経失調症—心身症としての考え方・扱い方
自律神経失調症の概念
阿部 達夫
1,2
Tatsuo Abe
1,2
1東邦大学
2済生会横浜市南部病院
pp.1752-1753
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217946
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全身倦怠感,易疲労性,動悸,息切れ,しびれ感,頭重,胃のもたれ,食欲不振など不定の愁訴をもって訪れた患者について,器質的原因が発見できないとき,よく自律神経失調症という病名がつけられる.このように自律神経失調症はかなり普遍的なものとなっているが,この定義や成因となるとかなり漠然としている.
筆者はかなり以前から,脚気の研究からはじまって,このような病態に興味をもって研究をすすめ,筆者なりに自律神経失調症に対する考え方が,順次変遷して,今日筆者のいう不定愁訴症候群という概念にまで到達した.その間の事情については,すでにしばしば報告1,2)しているので,最後に簡単に付記する.
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