診療基本手技
点滴セットを用いた腹水採取法
藤田 善幸
1
1聖路加国際病院内科グループ
pp.401
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217658
- 有料閲覧
- 文献概要
腹水大量貯留の入院患者において,圧迫症状が強く苦痛も強いとき,また,自己腹水濃縮還元装置使用のときなどで,大量の腹水採取が必要となる場合をしばしば経験する.通常,套管針を用いて排液するが,その針の太さのため患者への負担が大きく,また,抜去後の穿刺孔からの漏水や感染などの合併症を引き起こす場合を稀に経験する.そのため,当内科ではなるべく套管針を用いず,静脈穿刺用カニューレ(angio cath)を用いて行うようにしている.この方法の特徴は,簡単に穿刺できるほか,点滴セットに接続できるため,排液速度の調節,および排液量の正確な測定が可能なことなどである.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.