洋書紹介
—R. Douglas Collins 著—Dynamic Differential Diagnosis
柴田 昭
1
1新潟大学医学部・第1内科
pp.90
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217596
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問題の所在を簡潔直截に示す
Illustrated djagnosis of systemicなど"目でみる内科診断学──臨床編,検査編,臓器編"の三部作で有名なR. D. Collinsが,このたび新たにDynamic differential diagnosisの名のもとに鑑別診断学の書物を刊行した.前作三部が長らくこのようなスタイルで一世を風靡した"The Ciba Collection of medicalIllustrations"と同じく写実的描写であったのに対し,このたびは同じイラストレーションではあっても,線画となっている.線画というのは余計な贅肉を一切取り除いて,問題の所在を簡潔直截に示す上で,きわめて効果的な方法であるが,それだけによほどの自信がなければできないことである.前作三部の実績をふまえたCollinsの並々ならぬ自信が窺えようというものである.
書物の内容も著者自身が述べているようにきわめてユニークである.まず,あらゆる自,他覚的症状を,①痛み,②腫瘤ないし腫脹,③血性排泄物,④非血性排泄物,⑤機能異常の5つに分類し,これに収まり切らないものを第6章"その他の症状と徴候"にまとめている.そして主訴ないし主症状のそれぞれに3段階の思考過程を設定している.
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