カラーグラフ 臨床医のための内視鏡—パンエンドスコープ
上部消化管内視鏡検査における血管性病変
三室 淳
1
Jun MIMURO
1
1関東逓信病院・消化器内科
pp.1222-1223
発行日 1981年7月10日
Published Date 1981/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217257
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消化管の血管性病変はしばしば消化管出血の原因となるが,内視鏡検査は,消化管造影検査よりも血管性病変の診断能においては優れていると考えられる.
さて,上部消化管内視鏡検査において認められる血管性病変は食道静脈瘤,食道孤在性静脈拡張,血管腫,Osler病に伴う病変などであるが,後2者はきわめて稀である,動静脈奇形,Angiodysplasiaなどは小腸,結腸に認められ,上部消化管ではDieulafoyの胃潰瘍がこれに類するが,出血前にはまず発見されない.従来から静脈瘤に代表される血管性病変は,出血の危険を考えて内視鏡検査に際して最も注意すべきものとされてきた.
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