今月の主題 出血とその対策
吐血・下血
急性出血性胃(十二指腸)粘膜病変
鎌田 武信
1
Takenobu KAMADA
1
1大阪大学医学部・第1内科
pp.765-767
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217154
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概念と特徴
急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesions,AGML)とは,「急性に起こる胃の粘膜出血,びらんおよび潰瘍性病変で,多くの場合その誘因が明らかなもの」と筆者は考えている.
誘因としては中枢神経障害(頭部外傷,脳血管障害,脳腫瘍など,Cushing's ulcerとよばれる),熱傷(Curling's ulcer),重症病態(大手術後,敗血症,ショックなど),精神的ストレスなどがあり,組織学的には点状出血,びらんなどが多いが,一般に"ストレス潰瘍"とよばれている.これ以外に外来物質(アスピリン,副腎皮質ホルモン剤,非ステロイド系消炎剤などの薬剤,アルコールなど)によって惹起されるものもある.
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