今月の主題 内科医に必要な脳神経外科の知識
脳血管障害
破裂脳動脈瘤と脳血管攣縮
水上 公宏
1
,
宇佐美 卓
1
Masahiro MIZUKAMI
1
,
Takashi USAMI
1
1脳血管研究所美原記念病院・脳神経外科
pp.2214-2215
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216942
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はじめに
破裂脳動脈瘤がひきおこす病態は,①出血による中枢神経への一次的影響,②脳血管攣縮,③水頭症である.本症の特徴である再出血,すなわち脳動脈瘤破裂の再発を防ぐには,開頭術により動脈瘤柄部のクリッピングを行うことが最も確実な方法であり,顕微鏡手術の導入はこの手術手技をほぼ確立されたものとした.また,水頭症についても補助診断法の進歩と髄液短絡術によって治療成績の向上をみている.しかし,脳血管攣縮が破裂脳動脈瘤の予後を左右する最大の因子とされ,これが続発する脳梗塞をもたらし,患者の生命あるいは機能予後を著しく不良なものとすることが明らかとなっているにもかかわらず,その本態はいまだ十分に解明されていないのが現状である.
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