臨床免疫学講座
移植とGVH反応
堀内 篤
1
Atsushi HORIUCHI
1
1近畿大学医学部・第3内科
pp.1270-1273
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216646
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機能が低下した臓器を健全な臓器と容易におきかえることができるならば,治療医学の流れもかなり変っていたと思う.100年以上前から始まった皮膚移植の研究から.異なったヒトの間で行われた移植片は数日後壊死に陥るが,一卵性双生児間あるいは司じ個体内に移植した場合には生着することがわかっていた,1940年以後になって遺伝約に均一な近交系マウスが開発され,同種皮膚移植片の拒絶は非自己である移植抗原transplantation antigenに対する免疫反応であることが明らかにされた,その後組織適合性と移植の関係が重視され組織適合性抗原histocompatibility antigenの研究は急速に進歩し,また臨床では腎移植を中心とした臓器移植が発展した.すでに本誌6月号で述べたように,現在組織適合性抗原としてわかっているおもなものは①主要(major)組織適合性抗原(系)であるHLA human leukocyte system A抗原。②副(minor)組織適合性抗原〔系)であるH-Y抗原,③赤血球型物質であるABO抗原などである.
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