他科のトピックス
人工血液の臨床応用—腎移植
本多 憲児
1
Kenji HONDA
1
1福島県立医科大学・第1外科
pp.814-815
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216538
- 有料閲覧
- 文献概要
筆者らが人工血液と称しているものはミドリ十字社が開発したPerfluorodecalinとPerfluorotripropylamineを主成分とする0.01〜0.02μの粒子よりなるFluosol-DA(FDA)である.
本剤は酸素運搬体であるので,その臨床応用としては原則として酸素運搬体としての性能が重視せられる.したがって筆者らは本剤の臨床応用として,①大量出血により貧血性酸素欠乏症をきたしたとき,その患者の血液が極めて稀な型で,早急に入手困難なとき,②無血体外循環時におけるpriming solution,③屍体腎移植時における屍体内臓器灌流液が考えられている.本稿にては③の屍体内臓器灌流液として人工血液を使用し,屍体腎移植を行った成績について述べる.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.