天地人
タバコと健康問題
宙
pp.309
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216424
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タバコが人体に有害だということは,コロンブスが発見した新大陸からイギリス,スペインへタバコを持ち帰った16世紀の初めに,すでに議論されている.この論議は紙巻タバコの生産量と消費量が増えるにつれて活発となり,また多くの報告もなされてきた.しかし,一般にはタバコに対してあまりにも寛大すぎる.これだけ健康への害がはっきりしているのに専売公社はなお広告をしている.一般の企業でこれだけ害のはっきりしているものを販売していたら,とっくの昔に住民運動とか消費者の集いとかに押しつぶされ,倒産しているであろう.健康への害だけではない.多くの火事のもとはタバコの吸いがらであり,駅のホームや公園を汚す元凶もタバコである.
近頃とくにおかしく思うのは,「公害をなくす会」とかの人達がタバコを吸いながら環境庁ヘデモをしていることである.正に漫画的だし,銀行ギャングがコソ泥をしかるようなものだ.
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