プライマリ・ケア
プライマリ・ケアにおける呼吸器科診療(2)—胸部X線写真の正しい撮り方,読み方と肺癌の早期発見を中心に
濱名 正太郎
,
新野 稔
pp.2160-2163
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216302
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X線写真読影の手順
新野 できました写真を読影するとき,先生はどういう注意を払われますか.
濱名 まず写真に診断する領域が全部撮れているか,写真の撮影条件がよいかを確認してから読影を始めます.最初に胸郭,肺外の組織肺外臓器をしっかり読むことです.それから,胸郭の形,胸膜,横隔膜の状態に注意し,縦隔の形をよくみてから肺内を読むわけですが,まず最初に気管から読んでいかなければなりません.気管を読んで,気管分岐部を確認し,次いで左右の主気管支に移ります,右の主気管支の長さは約1.5cm,それから直角に右上葉気管支が分岐しており,その腹側に併走している上幹動脈のため上葉気管支の空気による透亮像が若干とらえにくいことがあります.中間気管支幹は約2.0〜2.5cmで,中間肺動脈幹が横切りますが,その空気による透亮像はよくとらえることができます.左の主気管支の長さは約4.5cm,70度ぐらいの角度で左上葉気管支が分岐し,肺動脈を横切る空気による透亮像を注意することです.肺底気管支幹の空気による透亮像はよく追跡できます.そのほか,両肺末梢の空気による透亮像も一応読む努力をすべきです.
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