今月の主題 臨床家のための輸血学
血漿輸血
第VIII因子
風間 睦美
1
1帝京大第1内科
pp.346-347
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215794
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はじめに
血友病を含む先天性凝固因子欠乏症の出血に対しては,欠乏因子の補充療法が唯一の療法である.このためには旧くは全血輸血が,次いで新鮮血漿輸注が行われたが,一層有効な補充療法を目指して,純化度の高い血漿分画製剤が用いられるようになった.
輸血学の進歩とともに患者が必要とする成分のみを輸生する成分輸血が常識化しつつあるが,数多ある先天性出血性疾患の補充療法剤の中でことに第VIII因子がとり上げられる理由は,この因子を欠く血友病の発生頻度が人口10万人対7〜8人と最も高いことと,各種の血漿蛋白製剤の製造過程の中で本因子製剤が大量に分画されるようになったからである.
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