臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IX.免疫・アレルギー疾患
1.アレルギー疾患の局所療法
アレルギー性皮膚病変の局所療法
古谷 達孝
1
,
山崎 雙次
1
1獨協医大皮膚科
pp.2164-2166
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208293
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はじめに
アレルギー性疾患には皮膚を病変の座とするものがきわめて多い.アレルギー性反応の反応型で,すなわち発症機序別にみた場合,1,2,3,4型に属するアレルギー性病変のいずれにおいても皮膚に病変が発症する.反応型はさておき,病変を組織学的所見よりみた場合,表皮病変(粘膜病変を含む),真皮病変,血管病変(血管拡張,一過性浮腫を含む)が基調的病変を形成するものとに大別することができ,これらはまたしばしば軽重の差こそあれ,相互に重合していることが多い.そしてまた組織学的所見により滲出性病変,増殖性病変,肉芽腫性病変,さらには変性壊死性病変とに大別することができる.臨床的見地よりみて,痒みの有無もまた1指標とすることができる.このようにアレルギー性皮膚病変にはさまざまのものがあるが,汎く局所療法の対象となるものは臨床的所見よりみて,①ビラン・壊死性病変,②いわゆる湿疹性病変,③痒疹性病変,④その他に大別することができよう.上記の皮膚病変に対する皮膚科学的局所療法の概要につき列記してゆきたい.
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