プライマリー・ケアの実際
貧血—そのアプローチ
平安山 英達
1
1沖縄県立中部病院内科
pp.1506-1509
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208071
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はじめに
プライマリー・ケアに携わる医師がしばしば直面し,解決を要求される問題が貧血である.その原因究明は疾患の診断のみならず,patient careにも欠かせないものであろう.はじめに貧血とは何か,貧血の存在の確立について記す必要があるが,それはテキストにゆずるとして,ここでは貧血の存在は確立されたものとして話をすすめたい.
当然のことであるが,貧血は診断名ではなく雑多な疾患の徴候であり,このことは貧血患者を診る基本的考え方であって,たとえば慢性関節リウマチなどの膠原病,慢性腎炎,慢性炎症性疾患,悪性疾患にみられる貧血がその好例であろう.したがって,貧血の原因究明は基礎疾患へのアプローチにも通ずるものであって,貧血のみに拘泥することなく,患者を総合的に観察する習慣も大切である.
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