今月の主題 胸痛の診かた・とらえかた
胸痛のメカニズム
原澤 道美
1
1東大老人科
pp.322-323
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207767
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胸痛の機序
痛みは一般に皮膚痛覚,深部痛覚,および内臓痛覚の3つに分けられている.これを胸痛について考えると,皮膚および深部痛覚は胸壁から,また,内臓痛は胸腔内から起こる痛みということになる.
皮膚痛覚は皮膚に分布している痛覚受容器に与えられる刺激が,肋間神経や鎖骨上神経などの末梢神経,脊髄後根,脊髄(脊髄視床路),ならびに視床をへて大脳皮質知覚中枢で感知される感覚(図1)で,もっとも局在性がはっきりしている.深部痛覚は骨膜,腱,関節嚢,筋などに存在する受容器に加えられた刺激が,あとは皮膚痛覚の場合と同じ経路をへて大脳で知覚するものであるが,それに比すると局在性に乏しい.
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