今月の主題 知っておきたい骨・関節疾患の診かた
腰背部を中心に
老人の腰痛
桐田 良人
1
1京都桂病院
pp.2296-2301
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207665
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はじめに
老人の腰痛では,通常考えられる運動・支持器官として腰部を構成する脊椎骨,筋・靱帯,支配神経などの疾患以外に,消化器,循環器など全身的な他の器官の疾患の初期症状としても重要な役割を演ずるものであるから,単に運動器や局所の症状としてのみにとどまらず,常に全身疾患の一環として理解し,早期発見のための症状として把握する必要がある.この点が老人の腰痛の場合はとくに重要であるから,腰椎部およびその周辺部のX線検査,筋電図,筋力テストなど運動器に関する検査以外に内科的諸検査を実施し,常に全身疾患の見地からも腰痛を把握することを怠ってはならない.
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