今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全の治療
人工呼吸器による治療—小児
三川 宏
1
1国立小児病院麻酔科
pp.1553-1555
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207445
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はじめに
小児の呼吸不全に対する治療手段として,人工呼吸器による機械的人工呼吸の価値の重要性はよく認識されているにもかかわらず,成人に比してその普及は遅れていた.しかし,近年,最も困難な問題の多かった新生児の人工呼吸に関した報告が本邦においても多数発表されるようになり,臨床の実際においても効果的な人工呼吸の活用により,治療成績の向上もまた著しいものがある.
この要因としては,なによりも小児のために設計,製作された人工呼吸器,呼吸管理器材の普及が著しいことがあげられるが,本邦における小児用呼吸管理器材の開発には未だ遅れた部分が多く,欧米において開発された器材に頼っているのが現状である.このような呼吸管理器材の問題のほかに,呼吸不全の病態生理の理解と,その上にたっての呼吸管理という点でも問題があるようである.
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