オスラー博士の生涯・46
実地医家のあり方と医学生教育
日野原 重明
1
1聖路加看護大学
pp.298-301
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207095
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1902年の9月中旬に催されたカナダ医学会総会で,オスラーは医学の盲目的愛国主義という題で2時間にわたる大講演をしたが,この講演は,オスラーが残した数多くの講演の中の最もすぐれたもののひとつとみなされている.この中で彼は,医業職というものの4つの大きな特色として,まず第1に,医学の歴史の中にはすばらしい先輩がいること,第2は,医業に携わる者は共通の目標をもち,一致してその方向に向かうことができること,第3としては,医学はどんどん進歩していき,その意味で前向きな気持ちで医師はますます仕事と共に勉強を続けていくことができること,第4に医業ほど,その日常の働きの中に人類社会へ貢献できる内容にあふれている職業は他にはない,といった事柄をとりあげて話している,次いで彼は,医師の国家主義,地方主義郷土性に論旨を進めていったのである.
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