臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
5.気胸に対する処置
谷本 普一
1
1虎の門病院呼吸器科
pp.1993-1996
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206941
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原理
気胸とは胸腔内に空気が存在する状態をいい,その原因により,①自然気胸,②人工気胸,③外傷性気胸,④医原性気胸に分類される。気胸全体に占める比率は自然気胸が最も多く,それはさらに特発性と続発性とに分けられるが,いずれも原因はブレブの破裂によるものが多い.したがって,気胸の治療にはたえずブレブの破裂とその修復状態を考慮する必要がある.
気胸の治療方針は,①呼吸困難および胸痛の除去,②肺の再膨張,③再発の防止をはかることである.一般に患者は創痕を残す開胸術を希望しないこと,続発性の多くの患者は手術ができないような原疾患をもっていること,特発性のものは一定の年齢に達すると発症しなくなることなどにより,気胸の治療は内科的治療が主体となる.
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