今月の主題 不整脈のハイライト
不整脈の新しい診断法
His東電位図
春見 建一
1
1東大第2内科
pp.28-31
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206366
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His東電位図(His bundle electrogram)の歴史
今日,臨床的に"His束心電図"として用いている記録方法は比較的新しく,Scherlag,Damatoらにより1969年Circulation1)に発表された方法が基本になっている.心腔内心電図をとるためのカテーテルを改良し,カテーテルの先端に電極を1cmおきに3個つけ,これを大伏在静脈から挿入,右心室に入れる.カテーテル先端を三尖弁を越えた近辺に止め、カテーテルの2個の電極から双極誘導心電図をElectronicus for Medicine社製の記録装置を用いてブラウン管上にHis東電位を観察しながら記録するものである.この際,基線の安定ならびに波形をスパイクとしてあらわすために40〜500Herzのバンドパスフィルターを用いている、カテーテル電極がHis束近辺に接触していれば,心電図のP,QRSに相当する心房波と心室波の間にスパイクが観察され,これをHis束電位図とする.筆者らはこの文献を読んで非常に興味をそそられ,たまたま筆者自身,その翌年1970年5月,New Yorkで開かれたVCGのシンポジウムに出席する機会があったので,Statten島にあるDamatoの研究室を訪れ,実際のテクニックを見学した.
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