今月の主題 SLE—成因から治療まで
SLEの臓器症状
血液
大久保 滉
1
1関西医大第1内科
pp.1943-1945
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206339
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血液学的な症候は,血清学的所見,腎の症候,神経学的症候とともにSLEの重要な徴候に数えられ,また,診断基準の項目にも溶血性貧血,白血球減少,栓球(血小板)減少がとりあげられている1).しかしながら,SLEでみられる血液学的な異常は必発というわけではなく,多数の症例について集計した結果,"そういう傾向がある"という程度のものであり,また,決してSLEに特異的な変化があるわけでもない.したがって,血液学的所見の診断確定への貢献度はそれほど大きなものではなく,あくまでも他臓器の変化や血清学的異常--抗核抗体,その他の多種の自己抗体,梅毒反応の偽陽性など--と総合して下されるべきものである.
筆者ら2)はアンケートによって調査した本邦のSLE症例について血液学的な検査データを集計した.以下,その成績を中心に,文献(山口3),Debois4))を参照しつつ,述べることにする.
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