特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
XII.細菌検査
原因菌の決定
富岡 一
1
1慶大中検内科
pp.694-696
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205968
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早期に診断し,早期から適正な化学療法を開始することは,感染症の治療上でもっとも望ましく,それは当然原因因子と,その化学療法剤に対する感受性の把握からはじまる.しかし,原因因子の検出面では本項の課題である原因菌の決定がしばしば問題となる.それにはくりかえし検出を行うなど,少しでも決定への資料を求めるよう種々の対策が要求されている.また基本となる検出手技上の問題でも,最近では細菌面で,CO2,嫌気性培養の併行がつよくとりあげられてきている.しかし,いかなる範囲に被検因子の対象を求めるかは,とくに日常検査の段階で問題となる.そして実際面では検査対象とする病原因子におのずから限界のあることもいたしかたない.したがって,臨床診断にたよらざるをえないこともしばしばであるが,その一方で検体を保存し,また経過を追って血清を確保しておくなど,後日にそなえることなども十分念頭において,原因因子の検索,検査成績の判定にのぞむべきであろう.ここでは細菌面を中心にのべる.
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