内科専門医を志す人に・私のプロトコール
II.腎・泌尿器
西崎 統
1
1聖路加国際病院・内科
pp.216-217
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205787
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●臨床検査・診療手技について
内科専門医受験に際して,内科全般についての普遍的知識はもちろんのこと,臨床実技についても評価される.その際,受験時に提出するプロトコール(研修記録)や剖検記録がどうしても重視される.そのプロトコールから質問が始められ,類縁疾患や関連する問題にその範囲が拡げられてゆく.そしてさらに提出資料の内容に拘束されないで試験官の用意する資料などを用いて質問の幅が広げられ,スライドや標本などが時には用いられる.同時に一般検査,診療手技,および特殊検査についても,その経験の有無手技,方法なども問われることがある.そのためにも内科の各分野の一般的な検査,および手技は広い範囲にわたって経験しておく必要がある.もちろん診療手技といえども,日常ベッドサイドで行われる簡単なものから,スペシャリストによらなければならないような高等技術を要するものまでもある.なお,救急処置時の手技も加わる,いうまでもなく,いずれの検査,手技にしろ受験直前になって短期間でマスターすることは不可能である.
内科臨床研修5年間には,身体所見を基本にして,臨床一般および特殊検査結果,X線学的所見,内視鏡学的所見などを参考に診断をすすめてゆき,検査結果を組み合わせて総合的に判断することの練磨により,臨床検査および診療手技を向上させてゆくのも1つの方法ではないかと思われる.もちろん,非常に高度なテクニックを必要とする検査は,少なくともその概要くらいを知っておけばよい.なお,臨床検査,診療手技をマスターすると同時に検査データを正しく評価することも重要である.
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