今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール
病因論
RAにおける免疫複合体の意味
園崎 秀吉
1
,
鳥巣 要道
2
1東大整形外科
2九大第1外科
pp.1114-1116
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204881
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近年リウマチ研究の進歩にともない関節リウマチにはいくつかの免疫学的異常が存在することが明らかになってきた。その結果時には本疾患がいわゆる「自己免疫疾患」の仲間に分類されることすらある現状である.
一般に自己免疫疾患という概念は大別して二つの疾患群を包括している.第一は古典的自己免疫疾患で橋本氏病とか交感性眼炎,あるいは,ある種の脳脊髄炎の如く,組織特異抗原に対し,自己の生体が,これを異物(非自己)と認め,自己抗体を作り,抗原と反応して免疫反応を起こし,組織局所に病気を発症せしめるものである.第二はautologous immune complex diseaseとも呼ばれるもので,すなわちループス腎炎の如く体内のどこかで形成された,immune colnplexが流血を介して糸球体に沈着し,これに血清の補体等が作用して,糸球体に病変を生ずるものであり,他に毛細管などもその場となる.
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