今月の主題 転換期に立つ検診
グラフ
移動形総合健診システム
山口 清士
1
1東京芝浦電気株式会社,医用機器事業部
pp.1018-1024
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204861
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序
移動形総合健診システムは端的にいうと,従来から行なわれているAMHTS(Automated Multiphasic Health Testing System)が設置形であったのに対し,車輌(自動車,列車,船)などに総合健診用の機器を搭載したものと考えてよい,しかし筆者らの実験の結果から得られた具体的な問題点は,単なる機器の搭載による異同とは別に非常に多くの違いのあることが明らかとなった.
従来の医療は病院とかその他の医療機関のように患者または受診者の来訪を待つという形のものであったが,これからの医療は社会的なニーズの進歩とともに単なる疾病の治療から予防優先となり,病苦に苦しむ以前に疾病を発見するのみでなく,商用航空機などのごとく,障害を未前に防止するための事前チェックを行ない,健康で疾病を最少限におさえた幸福な毎日を送ることを期待している.すなわち医療機関(従事者といってもよいが)が積極的に大衆にアプローチし,医療サービスを行なう時代になるであろう.移動形総合健診車はその"はしり"ともいえるテストケースである.今回筆者に与えられたテーマは,これの実施上の具体的な問題点を提起し,今後どうあるべきかを提示することにある.
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