今月の主題 内科領域における輸液と輸血
血液製剤の正しい使い方
貧血時の補給療法
松岡 松三
1
1新潟大・松岡内科
pp.306-307
発行日 1973年3月10日
Published Date 1973/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204639
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貧血は本来輸血の適応ではないのであって,鉄欠乏性貧血では欠乏している鉄,巨赤芽球性貧血では葉酸あるいはビタミンB12を投与すれば貧血は改善される.しかし,これら造血資材の欠乏による貧血のほかに種々の貧血があり,この中には輸血を必要とする貧血も あるが,この場合にも輸血は対症療法であるということを常に念頭におかねばならない.
輸血の最も重要な効用は1)出血,外傷,火傷などにより失われた血液を補充すること,2)鉄剤やビタミンB12などの貧血治療剤によって改善されない貧血のヘモグロビン(Hb)濃度を一定のレベルに維持することである.ここでは後者について述べる.
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