グラフ
糖尿病の螢光眼底所見
林 正雄
1
,
高取 悦子
2
1北里大・眼科
2東京女子医大・第2内科
pp.2020-2024
発行日 1972年10月10日
Published Date 1972/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204474
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正中静脈より注入したフルオレスセイン溶液は,8-12秒を経過した後,内頸動脈,眼動脈を経て眼底の網膜中心動脈に出現する.この際,励起フィルターを通った照明光源によって血柱より螢光を発生させ,この螢光が網膜血管より消失するまでの経過を,濾過フィルターを通して連続的にフィルムにうつしとるのが螢光眼底撮影法である.1961年にNovotnyおよびAlvisがこの方法を発表して以来,その普及,応用はめざましいものがあり,とくに,本法が網膜毛細血管床の病態の把握に有効な検索法であることから,糖尿病患者の眼底検査には今日必要不可欠の検査となってきている.本法によれば.網膜症の初期病変の一つである毛細血管瘤の出現を早期にかつ幅広く確実に捕えることができるばかりでなく,検眼鏡的には観察不能な所見である毛細血管の閉塞や螢光色素の血管外漏出なども確認することができる.
ここでは,糖尿病性網膜症および糖尿病者の眼底における螢光造影所見を図によって解説する.
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