特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XVI.婦人科
1.妊婦の異常検査所見をどう考えるか
妊婦とブドウ糖負荷試験
吉田 秀雄
1
1京府医大内科
pp.1494-1496
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
妊婦と糖尿病
妊婦は時々検尿して蛋白が陽性か否かをみることが必要であることは広く知られているが,尿糖が陽性か否かをしらべる必要があることについてはようやく数年来注目せられてきたにすぎない.妊婦に尿糖陽性のことがしばしばみられることは事実であるが,妊婦が糖尿病的であるとか,妊娠に際し糖尿病が多発するとか,悪化するとかの見方はむしろ誇張されているといわねばならない.
なるほど妊娠は尿糖,インスリン活性の現われ方などについて婦人を糖尿病と似た状態におくものであるが,真の糖尿病が妊娠を機会にして発病してくることは比較的まれである,またすでに糖尿病に罹患している患者が妊娠してくることもしばしばあるが,その診断はむずかしくない.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.