特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
14.心疾患の臨床検査
血清カリウムの高いとき
河合 忠
1
1日大臨床病理
pp.934-936
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204158
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採血時溶血―採血後長時間放置は絶対禁忌
血清カリウム(K)濃度が高い場合,まず考えなければならないこととして,「検体のとり扱いが正しくおこなわれたか」である.
体内には成人男子で約200g(または3000-4000mEq)のKが存在するが,そのうち約90%は細胞内にあり,わずかに0.4%が血漿中に存在する.血液中でも赤血球内のK濃度は平均157mEq/lで血漿中のK濃度(3.5-5.4mEq/l)の約30倍も含まれている.したがって,採血時に少しでも溶血が起こると赤血球内のKが血清中に大量に放出されるため,血清Kを測定する場合とくに溶血のおこらぬよう注意する必要がある.
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