診断のポイント
尿比重の診かた
浦壁 重治
1
1阪大第1内科
pp.745-748
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204108
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古くて新しい検査法
19世紀の初頭,有名なRichard Brightの時代から尿比重の測定が行なわれていたようであるが,今世紀に入りVolhard(1910),Addis(1922)らが水分制限(尿濃縮),水分負荷(尿稀釈)時の尿比重に注目するに及んで,腎機能検査法の1つとしての地位を獲得したといえる.
さらに1950年代に入り腎の濃縮・稀釈の生理機構が漸次解明されるにしたがって,特に腎髄質機能の指標であることが明らかにされ,皮質機能の簡易検査法であるPSP排泄試験と並んで日常臨床上繁用されるようになった.尿比重ことに特殊条件下の尿比重測定はこのように考えてみると,"古くて新しい検査法である"とみることができる.
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