話題
不明の点を浮彫りにできたのが成果—第69回日本内科学会総会シンポジウム「自己免疫疾患」
塩川 優一
1
1順大内科
pp.593
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204078
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自己免疫疾患という名称が使われるようになってから長いが,一時はいかにもよく分ったように見えたのに,最近研究の進歩と共にかえって分らなくなったようである.自己免疫というと公式見解では,1)自己抗原が出て来て,2)それに対して自己抗体ができて,3)それが組織に障害をおこして病気になる,という3つの過程より成る.ところがまず自己抗原が出てという所でひっかかる.自己抗原の遊出はなかなか証明できない.また自己抗体が病気をおこすという所も十分解明されていない.結局比較的分っているのは自己抗体ができるという所であってこのシンポジウムも主にこの点が取り扱われた.
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