読後随想
—断絶の時代 P. F. ドラッカー,林雄二郎訳 悪魔の辞典 Ambrois Bierce,西川正身選訳—知識とは何か—持続の問題(その1)
長洲 光太郎
1
1関東逓信病院外科
pp.415-417
発行日 1972年3月10日
Published Date 1972/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204044
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1.暗記は知識であるか?
いわば保健サービスを業とするわれわれ医者から見ると,次に引用するドラッカーの文の前半は合点のゆかぬ点があるが,それだからといって彼の言がすべてこれ荒唐無稽のざれ言だとは言いきれまい.括弧内は私が補足した.
「製薬産業はこの30年間に薬の用法をほとんど変えてしまった.新薬のおかげで健康管理というものは,マーケットでの最善の買物となり……—(社会か会社が買手という意味なのであろう)—保健サービスとその財源調達とはいずこにおいても政府の(利益を約束する最大の)関心事となってきたわけである.(それにしては政府の投資は貧弱だと言わざるをえないが.)
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