内科専門医のための診断学・25
貧血
三輪 史朗
1
1山口大第3内科
pp.99-104
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203978
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貧血をめぐる基礎的問題点
貧血とは何か,ということを考えなおしてみると,実は明快にわりきった定義をすることが案外むずかしいことがわかる.一般的には,貧血とは末梢血液中のヘモグロビン濃度が正常値以下に減少した状態である,と考えてよい.とすれば,血液学的検査をしてヘモグロビン濃度を測定し,その値が低下していれば貧血と診断してよいわけで,貧血の診断は簡単であまり問題がないようにもみえる.だが,ここで問題になるのは,正常値はいくらかということ,および循環血液量を考慮しなくてはたしてよいのか,という点である.
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