器具の紹介
痛くないインスリン注射—Automatic Injectorの紹介
塩田 善朗
1
1神奈川県立成人病センター内科
pp.1372-1373
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203806
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煩雑だったインスリン注射
今年は1921年にBantingとBestがカナダのトロントで,あの画期的な実験の結果,インスリンを発見してからちょうど満50年を迎える,インスリンの発見は,20世紀前半の治療医学史上,ペニシリンの発見にも比せられるほどの重要な出来事といえよう.その後,経口糖尿病治療薬の出現により,インスリンの注射療法を必要とするものは,糖尿病患者のうちで約5-20%と推定され,なおかなりの人数の患者が,毎日欠かさず注射をうち続けていることになる.
最近では医師や看護婦の指導によって,毎日通院することなく,家庭で自分で注射をさせる場合が増え,また日本糖尿病学会でも,このことが合法的と是認せられるよう厚生省などに交渉中と伝えられている.
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