研修医のためのWard Conference 関西電力病院
腎孟腎炎—ことに慢性腎盂腎炎の考えかた,治療のすすめかた(その2)
片村 永樹
1
,
原 報
2
,
久下 義文
3
,
新井 永植
1
Katarnura Eizyu
1
,
Hara Mukui
2
,
Kuge Yoshifumi
3
,
Arai Eishoku
1
1関西電力病院泌尿器科
2関西電力病院策1内科
3関西電力病院第2内科
pp.482-485
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203582
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腎盂腎炎と高血圧症
—腎盂腎炎は高血圧とふかい関係がありますね.
片村 すでに血管撮影のさい述べたように腎盂腎炎腎は,血管系,ことに弓状動脈や小葉間動脈などで狭窄や閉塞,部分的な拡張,蛇行,らせん様化などの変化があり11),増殖性動脈内膜炎をきたして動脈壁の増殖肥厚が著しいために,腎血管性因子による高血圧をきたします.さらに病変程度がすすめば腎組織の萎縮をきたし,腎阻血が強く,いっそう高血圧が増強します.Bengtssonら12)は,慢性腎盂腎炎患者の65%に高血圧があり,それらの37%は拡張期血圧が100mmHg以上になることを指摘しており,WeissとParker13)14)は悪性高血圧症の15-20%は腎盂腎炎に由来することを指摘していますが,そのほかの研究者15)23)たちもほぼ似た数字を示しています(表3).
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.