日常検査のすすめかた
「やせ」の臨床検査
守屋 美喜雄
1
1医療法人社団一ツ橋診療所
pp.322-323
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203541
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まず体重測定を
患者がやせたと訴えてきても,体重をはかると,ちっともやせていないことがあるから,診断にさいしては必ず体重を測定すべきである.通常,標準体重に比べ15-20%以上の減少があればやせと診断してよいが,それほどでなくとも,短期間の間に,ふだんの体重に比べ10%以上も体重が減った場合はやはりやせたと考えて,原因を追求すべきである.標準体重は〔身長(cm)-100〕kg×0.9を一応の指標にすればよいが,身長150cm以下の場合は,×0.9しない.なお,もともとやせていて肥らないという訴えは,まれには例外もあるが,ほとんどが体質的なやせで,病的意義はないと考えてよい.また,ここでは,飢餓・減食によるやせや,激症急性疾患による一時的なやせは考慮外として論を進める.
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