新薬の紹介
利尿剤—フロセマイドとエタクリン酸
浦壁 重治
1
1阪大第1内科
pp.71
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203473
- 有料閲覧
- 文献概要
新薬としてのfurosemide, ethacrynic acid
利尿剤の開発は,より強力で副作用の少ないものをめざして進められてきた.ここで強力という意味には,より少量で有効ということと,他剤ではどれだけ増量しても利尿をきたさないような浮腫(refractory edema)に対しても有効という2つの事柄が含まれるが,前者は減量によって副作用が改善されないかぎり,臨床的意義はない.
この点1960年初頭に相次いで開発されたfuro-semnide, ethacrynic acidは他剤で無効ないわゆる抵抗性浮腫に,アシドーシス,アルカローシスとは無関係に利尿効果を示し,まったくユニークな存在である.しかし反面,あまりに強力であるため,他剤にも十分反応しうるような浮腫に無計画に投与すれば,脱水症などの体液異常をもたらす危険性をはらんでいる.これら2つの利尿剤以後,特に注目すべきものは登場していない.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.