臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
III.循環器系疾患の診断技術
6.一般静脈圧
白倉 卓夫
1
1群大第2内科
pp.705-707
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203121
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
心不全の診断は簡単なようでそうでない.特に症状がまだ現われない潜在性心不全の場合なおさらで,この場合,静脈圧測定はきわめて重要な指標となる.本法は日常診療上容易に行なえる検査法でおり,もっと繁用されてしかるべきである.本測定法には視診法,間接法および直接法の3つがあるが,視診法は器具がなくても簡単に静脈圧の程度を知るのに便利である.すなわち臥位にした被検者の上肢を徐々に挙上させて,手背や前腕の浅在静脈の萎縮が起こる高さを,胸骨を原点として目測する(Gärtner法)(図1).正確に測定するには直接法による.現在最も行なわれている法(Moritz-Tabora法変法)である.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.