治療のポイント
慢性関節リウマチの生活指導
間 得之
1
1中伊豆温泉病院
pp.1358-1359
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202898
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患者の教育と治療に対する動機づけ
慢性関節リウマチ(以下RA)とわれわれが診断するには,現在のところ,1958年に,American Rheumatism Associationの委員会によって示された診断基準にしたがっていることは衆知のことであるが,いずれの疾患にせよ,その診断が確立されてはじめて治療方針なり,生活指導なぢが生まれてくることはいうまでもない.RAに関しては,上記A. R. A. の診断基準によるとしても,Classical RA,Definite RA,Probable RA,Possible RAの4つにわけられており,前2者は成書に記載されるRAの諸症状を一応そなえているが,後2者については文字通りprobableあるいはpossibleの域をでないものであるから,後2者については,そのfollow upが重要で,あとになって前2者に入るものと,RAとは別の疾患であることが判明するものとが混じっていることに注意し,後2者については,その旨を告げて,医師の手をはなれないように指導せねばならない.一方,本稿の主題となる,ClassicalないしDefinite RAの患者を前にしては,RAそのものの経過が長いものであること――すでに承知している患者も多いが――またその経過中には幾多の波があることを説明し,短期間における症状の消長に一喜一憂する愚を指摘し,長期療養の心がまえをもたせなければならない.
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