症例
Neuro-Behçet症候群の症例へのコメント
清水 保
1
1東大物療内科
pp.914-915
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202769
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近年わが国にとくに急増傾向を示すBehçet症候群が注目されるとともに,精神神経系症状を合併するNeuro-Behçet型や,血管系病変を主徴とするVasculo-Behçet型は,その重篤性と本症の本態究明への足がかりとして重視され,ここ数年間に内科領域にも10指に余る報告症例がみられる.ここにNeuro-Behçet症候群として報告される1例は,いわゆるNeuro-Behçet型としては以下の諸点でatypicalな症例であるが,今後の経過を観察し検討すべきものと考えられる.本症例との対比のため,過去16年間のBehçet症候群自験240例中のNeuro-Behçet 22症例(男子18例,女子4例)の臨床像を,一括して表示する.
Neuro-Behçet型への移行は,圧倒的に男子に多く,その精神神経系症状の多彩性は,脳・脊髄のとくに白質部に好発散在する軟化,脱髄病巣の分布と対応し,粘膜,皮精性・眼・関節,消化管,血管,副睾丸などの諸症状ほどではないが,中枢神経系症状の慢性再燃性は多発硬化症に類似する.典型例では,
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